災害時中間支援団体ばいにゃこ村プロジェクト
情報を集め、動きを調整し、必要な場所へ届ける。
災害時の「見えないハブ」を、平時から育てるプロジェクト。
STORYはじまりの物語
災害が起きたとき、被災地に手を差し伸べたい人・団体・企業は、実は驚くほど多く存在します。しかし、そのほとんどが「どこに、何を、いつ届ければ届くのか分からない」という壁にぶつかります。物資は倉庫にあるのに、必要な避難所に届かない。ボランティアは意欲はあるのに、動くべき現場を知らない。行政は情報を持っているのに、民間に共有する手が足りない——。
この「善意と現場のあいだ」を埋める役割こそ、中間支援団体が担う仕事です。
一般社団法人ばいにゃこ村は、公共施設を活用した被災地後方支援プロジェクト(能登半島地震・2024年)での実践を通じて、「拠点を持つ」だけでは足りないことを痛感しました。拠点に加えて、情報のハブ、マッチングの調整、関係団体の連絡調整——これらを担わなければ、支援は空回りする。
そこで動き出したのが「災害時中間支援団体ばいにゃこ村プロジェクト」です。有事には情報・物資・人手のマッチングハブとして、平時には次の災害に備えるネットワーク・人材育成・訓練の場として、ふたつの顔で機能し続けます。
その真価が試されたのが、能登半島豪雨(2024年9月)での実践でした。豪雨予報の段階から緊急支援体制に移行し、発災直後に人員と物資を派遣。滑川市防災危機管理課への情報提供を行い、輪島市町野への緊急支援を行政と連携して実施——「必要な場所に、必要な人と物資を、必要なタイミングで届ける」という中間支援を、実際の現場で証明しました。
COVERAGE活動エリアと支援のかたち
中間支援団体としての機能は、無限に広げられるものではありません。顔の見える関係を築き、駆けつけられる範囲を明確に定めることで、有事のスピードと質を担保します。
直接支援エリア|6県
現地に人員と物資を直接派遣し、行政・住民と連携しながら中間支援機能を稼働させるエリアです。滑川市を中心に、陸路で機動的に駆けつけられる中部・北陸圏を担当範囲としています。
間接支援エリア|上記以外の全国
上記6県以外の地域については、間接支援というかたちで関わります。
- 情報の共有と提供
- 現地の中間支援団体・NPOとの連携
- 物資・ノウハウ・人材の後方提供
- 「能登モデル」など実践知の共有
「自分たちで全国を直接カバーする」のではなく、「各エリアで動く中間支援団体をつなぎ、支える」——これが、私たちの間接支援のかたちです。
PROJECT INFOプロジェクト情報
- プロジェクト名
- 災害時中間支援団体ばいにゃこ村プロジェクト
- 中心メンバー
- 樋口 幸男/一般社団法人ばいにゃこ村(さだ ありさ 代表理事)/連携する行政・NPO・企業・市民団体
- 拠点
- 中滑川複合施設メリカ(富山県滑川市田中新町39-5)
- 直接支援エリア
- 富山県/石川県/福井県/新潟県/長野県/岐阜県
- 間接支援エリア
- 上記以外の全国(情報・ノウハウ・人材の後方提供、他中間支援団体との連携)
- 活動時期
- 通年(平時のネットワーク運営+有事の緊急稼働)
- カテゴリー
- 防災・復興支援/まちづくり/中間支援
- 担当領域
- 情報のハブ/マッチング調整/連絡調整会議の運営/人材育成/図上訓練・シミュレーション/官民連携
- 連携パートナー
- 滑川市防災危機管理課/被災地行政(輪島市 ほか)/社会福祉協議会/ボランティア連絡協議会/専門NPO/企業/市民団体
- 参加方法
- 連絡調整会議への参加/人材育成研修/図上訓練/情報提供/物資・人手のリソース登録
- 現在
- 連携団体・担い手ともに募集中
DUAL ROLES平時と有事、2つの役割
中間支援団体は、「平時」と「有事」で全く違う仕事をします。しかし、平時の準備なくして有事の稼働はありません。
備えの役割
災害が来ないうちに、次の災害への備えを積み上げる仕事。
- ネットワークづくり/行政・社協・民間団体が顔の見える関係を日頃から築く
- 人材の育成/災害時にコーディネート作業を行える専門人材を育てる
- 訓練やシミュレーション/災害を想定した図上訓練や研修会を実施する
災害時の役割
災害発生から時系列で稼働する、中間支援の実務。
- 情報の共有と集約/被災地のリアルなニーズと、支援側(物資・人手・ノウハウ)の情報を集約する
- マッチングの調整/支援を必要としている場所へ、専門性を持つNPOや企業などのリソースを適切に割り振る
- 連絡調整会議の運営/関係団体が集まる場を開き、活動の重複や抜け落ちを防ぐ
STRUCTURE情報・調整・実働をつなぐ3層構造
このプロジェクトは、3つの層が組み合わさって機能します。
| 層 | 役割 |
|---|---|
| 情報層 | 被災地ニーズ・支援リソース・行政情報を集約し、リアルタイムに共有する。 |
| 調整層 | 連絡調整会議・マッチング・重複回避を担う。中間支援団体の中核機能。 |
| 実働層 | 拠点運営(メリカ)・現場派遣・物資輸送を担う実務チーム。 |
「情報を集める」「動きを調整する」「現場を動かす」。この3層が縦につながることで、善意と現場のあいだの距離が縮まります。
CASE STUDY能登半島豪雨(2024年9月)での実践
このプロジェクトの機能が最も明確に発揮されたのが、能登半島豪雨での対応です。豪雨予報の段階から緊急支援体制に移行し、発災直後に人員と物資を派遣しました。
事前段階|予報から体制移行
豪雨予報の段階で緊急支援体制を発動。連携先への情報共有と待機体制の構築を実施。
発災直後|情報収集とマッチング
現地行政および住民と連携し、必要な物資と人員をリアルタイムに把握。支援側リソースとマッチング。
官民連携|滑川市防災危機管理課との情報提供
滑川市防災危機管理課へ情報提供を実施。行政が持つ情報と、民間が持つ現場感を突き合わせることで、判断のスピードが上がる官民連携の理想形を実現。
現地支援|輪島市町野への共同緊急支援
輪島市町野への緊急支援を、滑川市行政と連携して実施。物資集積・人員派遣・現地との連絡調整をワンストップで担い、「必要な場所に、必要な人と物資を、必要なタイミングで届ける」ことに成功しました。
この一連の動きは、中間支援団体が果たすべき役割の教科書的な事例として、次の災害に備える知見として蓄積されています。
ACTIVITYプロジェクトでやっていること
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連絡調整会議の運営行政・社協・NPO・企業・市民団体が集まる情報共有会議を、平時から定期的に開催。
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リソースマップの整備誰が何の専門性・物資・人員を提供できるかを一覧化し、有事に即動員できる形に維持。
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図上訓練・シミュレーション災害を想定した予行演習を通じて、有事の判断・連携を鍛える。
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専門人材の育成災害時コーディネーターとして動ける人材を、研修と実践経験で育てる。
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有事の緊急稼働(6県)直接支援エリアで、情報収集・マッチング・物資集積・人員派遣を一貫して担う。
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間接支援(全国)6県外の被災地には、他の中間支援団体との連携と後方提供で関わる。
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官民連携の橋渡し行政の情報と民間の機動力をつなぐ、公式・非公式のパイプを維持。
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記録と発信各災害での実践を記録し、次の災害への知見・全国への発信素材として蓄積。
VOICE中間支援に関わった人たちの声
物資を用意しても、届け先がわからなかった。中間支援団体が入ることで、初めて動けた。
行政だけでは民間の細かい動きを把握しきれない。ばいにゃこ村の情報提供が判断を助けた。
連絡調整会議に参加していたから、有事に迷わず動けた。平時の会議は無駄じゃない。
輪島に必要な物資が、必要なタイミングで届いた。あれが中間支援の力なんだと実感した。
こうした声の積み重ねが、「有事のスピードは平時のネットワークで決まる」という真理を、現場から証明しています。
COLLABORATIONつくり手たち
このプロジェクトは、行政・市民団体・NPO・企業・市民有志が、平時のネットワークと有事の稼働を支えるためにチームを組んで動いています。
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樋口 幸男/一般社団法人ばいにゃこ村(さだ ありさ 代表理事)
中間支援団体としての中核機能を担う。情報・調整・実働の3層をひとつにつなぐ。
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滑川市防災危機管理課
行政の立場から情報共有と連携の窓口を担う。能登半島豪雨での情報提供の相手として、官民連携の理想形を実現。
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被災地行政(輪島市 ほか)
有事の受け入れ側として、現地ニーズを共有し、共同支援を実施するパートナー。
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社会福祉協議会/ボランティア連絡協議会
ボランティアリソースの調整と、平時のネットワーク運営を担う地域の要。
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専門NPO・企業・市民団体
各分野の専門性(食・医療・物流・建築・子ども支援 ほか)を持ち寄る連携パートナー。
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他エリアの中間支援団体(全国)
6県外での間接支援を実現するための、全国レベルの連携パートナー。
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中滑川複合施設メリカ
拠点・物資集積・会議運営の場として機能する、中間支援の物理的な土台。
FIELDこのプロジェクトは「まち」が学びのフィールドです
災害時中間支援は、特別な資格や経験がなくても関われる仕事が数多くあります。連絡調整会議に顔を出す。リソースマップに自分の団体・専門性を登録する。図上訓練に参加する。情報を集める練習をしてみる——そのどれもが、次の災害への備えを1つずつ積み上げる行動です。
そして、この仕事は「災害が起きたら急に動く」タイプの活動ではありません。平時の会議、平時の訓練、平時の関係づくり。地味で、時間もかかる仕事ばかりです。でもその積み重ねが、次の災害で誰かの命と暮らしを守ることにつながります。
行政・NPO・企業・市民、立場を越えた人たちがメリカに集まる。その小さな関わりが、地域で動く人=実践人口へとつながっていきます。
経験不問。次の災害に備える「見えないハブ」を、一緒に育てていきましょう。













